地産地消レポート 地元、食べてます

いま日本各地では、それぞれに地産地消を実現するため、さまざまな「地元を食べる」取り組みが行なわれています。それら数多くの動きの中から、ユニークなものをご紹介します。

写真

兵庫県篠山市

地域に学び、地域に返す
小さな高校の大きなチャレンジ

全国の高等学校は、公立、私立合わせて約5400校。普通科、総合学科、専門学科があり、そのなかの専門学科のひとつである「農業系高校」は、全国に約400校ある。学ぶ生徒こそ約9万人と、全生徒数(約360万人)のわずか2.5%だが、各地で、地域と連携した特色ある活動が行われている。

写真

高知県四万十市

集落の人たちの暮らしを第一に考えて設立された共同売店

愛媛県との県境に位置する高知県旧西土佐村(現 四万十市)の大宮地区。四万十川の支流である目黒川に沿って家屋が点在する山間の集落だ。現在の人口は135戸301人、稲作を主にした農業が営まれている。この集落のほぼ中心に建つのが、小さなガソリンスタンドが併設された「(株)大宮産業」。住民の出資によって設立された共同売店である。

写真

福岡県築上町

地域循環型農業で実現した完全米飯給食

食育の基本は学校給食と考え、自校炊飯による米飯給食、しかも完全米飯給食を推進する地域ぐるみの挑戦。

 
写真

『まだまだ伸びる農産物直売所』の著者、田中満さんに聞く

農村にとって直売所は最大唯一の希望の星

「まだまだ伸びる 農産物直売所」(農文協)の著者であり、全国各地の農産物直売所を指導している田中満さんに、これまでの地産地消活動と農産物直売所の歴史から、今後の予測に至るまでのお話を聞いた。

 
写真

東京都小金井市

江戸東京野菜をキーワードに農商行政連携の町おこし

新宿からJR中央線快速電車で約25分の東京都小金井市は、住宅地に農地が点在する、人口11万4千人の自然豊かな町である。この町ではいま、江戸東京の伝統野菜をキーワードとする町おこしが盛んに行われている。

 
写真

『米粉パンの教科書』の著者、福盛幸一さんに聞く

「味わいで選ばれる米粉パン」の時代へ

「水田のフル活用」の切り札として、米粉パンに熱い眼が注がれている。実際、米粉パンづくりに取り組む人は増えているが、まだまだ「米でもパンができた、というだけの米粉パン」「もどきの米粉パン」が多いという。それを「米粉パンっておいしいね」と言われるようにするには、どうすればいいか。「味わいで選ばれる米粉パン」を実現した福盛パン研究所代表の福盛幸一さんにその極意をお尋ねした。

 
写真

滋賀県蒲生郡安土町

小さいことはいいことだ! 自家製粉にこだわった米粉加工を応援

平成20年4月、輸入小麦の価格が引き上げられたことがきっかけで、小麦粉の代替品としての米粉がにわかに注目を集めたのは、記憶に新しいところ。とはいえ「新規用途米」と呼ばれるこうした米粉の需要は、平成18年度で6千トン程度(※資料:原料米使用量。「地方農政事務所による米粉パン等買受業者からの聞き取り」、農林水産省)。それでも4年前の6倍と急激に伸びてきており、今後もさらなる需要が見込まれている。

 
写真

東京都新島村

苗づくりからはじまる島の元気づくり

東京都の島々、伊豆諸島の北部地域にある5つの有人島の中で、一番北の伊豆大島から南へ3つ目に位置するのが、新島(にいじま)である。平成20年に農林水産省の「ふるさと郷土料理100選」にも選ばれた魚の発酵食品「クサヤ」はこの島が発祥といわれている。また島の東側にある長さ約4kmにも及ぶ白い砂浜は、サーフィンのメッカとしても知られている。

 
写真

和歌山県和歌山市

フルーツ王国のこだわりドルチェ 愛すべき地元の宝物をつめこんで

イタリア語で、ドルチェは「フルーツやデザート、甘いもの」、アランチャは「オレンジ」のこと。和歌山県のフルーツにこだわるという思いもこめて、県を代表するフルーツともいえる「オレンジ」を店名に選んだ。

 
写真

福島県郡山市

あぐり市へ行こう!あぐり市をやろう!

福島県郡山市の駅前通りにズラリとならんだ野菜、野菜、野菜。道行く人が、足をとめ、その野菜を楽しそうに眺めている。カメラをかまえて写真撮影する人もいる。今年7月、郡山市駅前通りの恒例イベント、あぐり市の“作品発表会”が開催された。今年も変わらず好評のようだ。

 
写真

福島県鮫川村

村の元気のみなもとは大豆の地産地消
地場産大豆が村の暮らしの昔と今をつなぐ

東北新幹線の新白河駅から、福島県の太平洋側を南北に走る阿武隈山地に向かって車で1時間。標高400〜700mの山あいにある福島県鮫川村(さめがわむら)に到着した。鉄道の線路も高速道路も通っていない、人口4300人の小さな村だが、村独自の大豆の地産地消“豆で達者な村づくり”プロジェクトで、いま全国から熱い視線を集めている村である。

 
写真

東京都あきる野市

多彩な品揃えは地域の元気の証、地元に根付いた地産地消の魅力
―秋川ファーマーズセンター

東京23区の奥に広がる多摩地域を西へ、西へ。その昔、木炭や材木を江戸に運ぶために整備されたという、五日市街道を伝って多摩川をわたり、あきる野市に入ると、道路の両側は見晴らしのよい台地となり、遠くには奥多摩の山々が連なる。点在する畑地に囲まれて、大きな鳥が羽を広げたような屋根の、ひときわ大きな建物が見えてきた。農作物直売所「秋川ファーマーズセンター」だ。

 
写真

徳島県勝浦町

地元の食材たっぷりの学校給食で、いきいき町づくり

徳島市を南北に横切る国道55号から県道16号に入り、山あい方向に車で1時間ほど走ると、道路のすぐそばまでみかんの木が立ち並ぶようになる。ここ、徳島県勝浦郡勝浦町は徳島みかん発祥の地。昔から阿波貯蔵みかんの産地として知られ、ひところより生産量が減ったとはいえ、現在もみかんの出荷量は県内一である。

 
写真

山形県小国町 小玉川・樽口・伊佐領集落

山の恵みを生かした観光ワラビ園は「コミュニティの源」
集落の山を「観光ワラビ園」に、「山菜の学校」に

山菜の宝庫・小国町には、現在、11カ所の観光ワラビ園がある。毎年5月中・下旬から約ひと月半にわたり、週2、3回オープンしており(開園時間はたいてい午前中の2、3時間)、入園料は2,000円程度で採り放題。味噌汁のサービスや飲物、山菜、焼きイワナなどの販売もあり、シーズン中に1万人余りの観光客が訪れるほどの人気ぶりだ。

 
写真

兵庫県多可町八千代区「マイスター工房八千代」

素材も手間も「ケチらない」 郷土にあるものを「見捨てない」
ここだけの味・絶品の寿司は、地域を大切に思う人たちの手から

多可町は昨年11月に八千代町、加美町、中町が合併してできた町。隣の中区(旧中町)からやって来たという年配の夫婦は、巻き寿司11本購入。「いただきもののお返しに知人へ届けようと思って。ここのは甘くておいしいでしょ。テレビや雑誌などに出て有名だしね」。ほぼ2カ月に一度の割合で買いに来るという。

 
写真

宮崎県高千穂町岩戸「五ケ村村おこしグループ」

地鶏うどんに地鶏そば、1個70円の温泉団子、平均年齢70歳
山里のふだんの食事がむらと神楽と棚田をまもった

五ケ村は、水田が少なく、旧岩戸村のなかでも、もっとも貧しいとされた地域だった。それを克服しようと、大正6年から4年をかけて建設された溜池は、地盤の関係で漏水が激しく、使いものにならなかった。あげくのはては、大雨で決壊し、水害を起こす始末だった。