集落の人たちの暮らしを第1に考えて設立された共同売店
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株式会社 大宮産業
〒787-1615
高知県四万十市西土佐大宮1576
電話 0880-53-2100

モノとお金だけでなく、気持ちのやりとりを大切に

 以前、JAに勤めていた岡山さんは、いくつかの支店に配属され、定年を迎えるころ大宮産業が立ち上がることになった。そこで、もうひとがんばり!とパートで働くようになった。JA時代の経験から接客には慣れているが、この店に立つようになってから、あえて心がけていることがあるという。それは、お客さんに積極的に声をかけていくこと。

 「ほとんどのお客さんが顔見知りなので、自然と会話が始まりますが、近況を聞いたり、ご家族の様子をうかがったりと、私のほうから話しかけるようにしています。商品とお金だけのやりとりでは味気ないし、些細なことでも会話を楽しめるのが、こういう集落のお店なのかなと思いますね」。

 モノやお金だけでなく、気持ちのやりとりも大切にしたい。そんな想いからつくられたスペースが店内の一画にある。小さなソファーがひとつ置かれているだけだが、常連さんたちがやってきて、岡山さんや矢間さん、来合わせた知り合いとのおしゃべりを楽しんでいくそうだ。

 そんな話を聞いているとき、「田植え前だから暇だあ」といってソファーにどっかりと座ったおじいちゃんに、集落内で日本ミツバチの巣箱をいくつか見かけましたけど、と話しかけると、「そうそう、ここはミツバチを飼う家が多いんだ。でもな、いくら巣箱を置いてもミツバチがつかない家がある。不思議だけど、なぜかつかない。ミツバチにも好みがあるのかなあ」。

 「へぇー、そうなの」(岡山さん)、「コンニャク芋もそうだな。家によっては植えても大きくならないんだ」。

 「あら、そんな話初めて聞いたわ」、みたいな感じである。

 この後、ひとしきりおしゃべりに興じたおじいちゃんは、「またな」と言ってぷらっと店を出て行った。それも手ぶらで。岡本さん曰く、「おしゃべりだけを楽しんでいく常連さんもいるんですよ」。

 会話だけの利用もOKならば、ツケもあり、というのがこのお店のスタイルだ。管理機でスタンドに横づけした男性は、自ら給油し、「10リッター入れたからツケといてー」と岡山さんに声をかけ、またたく間に去っていった。岡山さんも手なれたもので、ささっと帳簿に記入していく。まさに、あうんの呼吸、信頼関係があってこそなのだろう。大宮産業にとっては当たり前のやりとりなのだろうが、見ていて清々しい気持ちになった。

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常連さんたちの溜まり場。ソファーでくつろぎながら、岡山さんとのおしゃべりを楽しむ
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スタンドに管理機を横付けし、自ら給油。こんなことができるのも、大宮産業があってこそ


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