集落の人たちの暮らしを第1に考えて設立された共同売店
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株式会社 大宮産業
〒787-1615
高知県四万十市西土佐大宮1576
電話 0880-53-2100

集落の人の声を、品揃えに活かしていく

 大宮産業の店内には、調味料やレトルト食品、缶詰、菓子類などの食料品、洗剤や台所用品、文房具、軍手などの日用雑貨類が棚にきれいに陳列され、裏手の倉庫には堆肥や肥料がデンと積まれていた。JAのころと品揃えはほぼ同じだが、コストをできるだけ抑えるよう仕入れ業者を若干変えたという。営業は8時30分から17時まで。定休日は第2・4月曜日と年末年始。唯一の社員である矢間栄三(やざま えいぞう)さん(26歳)とパートの岡山礼子(おかやま れいこ)さん(63歳)の二人で店の運営を担っている。

 「給油のお客さんにも対応しなくてはならないので、結構忙しいんですよ」
 と岡山さん。どうしても二人で対応しきれないときは、竹葉さんら取締役の人たちが助っ人に来てくれるそうだ。1日の利用者数は平均すると60〜70人。このほか業者の出入りもある。実際、訪ねた日も、接客の合間に帳簿をつけたりと岡山さんはとても忙しそう。とながめていると、「お豆腐ひとつもらうよ」とお客さんがやってきた。そういえば、肉や魚などの生鮮食料品は店内になかったから、お豆腐が唯一の生もの?

 「そうなんですよ。生ものは売れ残りが出ると困るので扱わないようにしているんですが、お豆腐は欲しいという声がかなりあったので販売するようになりました。JAのころも扱っていなかったので、毎日、宇和島まで鮮魚を仕入れにいく業者に頼んでお豆腐を持ってきてもらうんです」。

 集落の人たちの要望をできるだけ品揃えに活かしていく、これが大宮産業の経営方針だ。そのため、40代から80代の老若男女13人による経営アドバイザーが集落内に組織され、日常的な商品の要望だけでなく、イベントなどが開催される際、大宮産業で揃えられる材料を住民から聞き取り、仕入れ品目に加えてもらうようにしている。集落の人たちの暮らしを第一に考える大宮産業ならではの細やかな対応といえるだろう。

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店内には食料品をはじめ日用雑貨などがきれいに陳列されている
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中央が大宮産業代表取締役の竹葉傳さん、唯一の社員である矢間栄三さん(左)、パートの岡山礼子さん

 そんなやりとりから扱うようになったもうひとつの商品が、夏野菜の苗。この日はちょうど仕入れた苗の配達日で、矢間さんが軽トラックに苗を積み込んでいた。ナスやトマト、キュウリ、カボチャ、スイカ、シシトウなど10種類ぐらい。どれも大きくて立派な苗だ。

 「旧 中村市の80歳のおじいちゃんがつくっている苗で、すごく評判がいいんですよ。以前は、このへんまで引き売りにくる業者からそれぞれ買っていたんですが、大宮産業で扱ってくれないかと言われまして。今年は70軒ぐらいから注文が入りました」。

 注文票をみると、1軒につき苗の数は数本から十数本、自家用に栽培しているのだろう。少ない本数でも玄関先まで配達してくれるのはありがたいに違いない。また、毎週木曜日にも矢間さんは軽トラックで集落内を走る。苗のほか、堆肥や肥料など重量のあるものは、希望があれば配達もしているのだ。

 「足の悪い人や高齢者の方からの希望が多いですね。軒数にすれば4〜5軒ですが、週1回でも来てくれると助かるって言われます」。

 毎週木曜日の宅配、これも大宮産業になってから始まったサービスである。

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今日は夏野菜の苗の配達日。軽トラックに苗を積み、玄関先まで届ける

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