地元の食材たっぷりの学校給食で、いきいき町づくり
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問い合わせ先
鮫川村農作物加工・直売所〈手・まめ・館〉
〒963-8401
福島県東白川郡鮫川村大字赤坂中野字巡ケ作116
電話0247-49-2556
FAX 0247-49-2445

営業日
1月1日〜3日を除く毎日営業
営業時間
・直売所
10月〜3月
am9:30〜pm6:00
4月〜9月
am9:00〜pm7:00
・食堂
Lunch time
am11:00〜pm2:00
Cafe time
am10:00〜am11:00/
pm2:00〜4:00

農産物直売所〈手・まめ・館〉の人気商品は
地場産大豆でつくる豆腐、味噌

山あいの村の農産物直売所

 東北新幹線の新白河駅から、福島県の太平洋側を南北に走る阿武隈山地に向かって車で1時間。標高400〜700mの山あいにある福島県鮫川村(さめがわむら)に到着した。鉄道の線路も高速道路も通っていない、人口4300人の小さな村だが、村独自の大豆の地産地消“豆で達者な村づくり”プロジェクトで、いま全国から熱い視線を集めている。

 “豆で達者な村づくり”のカナメとなっているのは、農産物直売所〈手・まめ・館〉だ。

 〈手・まめ・館〉に入ると、地場産の野菜や漬物、豆腐、味噌などの加工品が並び、その右側はどこかアットホームな雰囲気の食堂がある。売り場の左側の廊下を進むと、のれんに「達者の豆腐」と大きく書かれた豆腐加工所があり、大豆から搾った豆乳ににがりを打つ、豆腐づくりの真っ最中だ。

 大豆の国内自給率は食用で21%、製油用などと合わせるとわずか5%の現在、〈手・まめ・館〉には鮫川産大豆100%の豆腐、油揚げ、味噌、納豆、きな粉、豆乳などの大豆製品が並び、村に活気を起こしている。

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農産物直売所〈手・まめ・館〉には豆腐・油あげの加工施設もある
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村の大豆生産量から「達者の豆腐」は1日150丁の限定生産

手づくり豆腐の値段の決め方

 大豆による村おこしをめざして、2003年(平成15)12月鮫川村役場の各課横断でスタートした“豆で達者な村づくり”プロジェクト。

 プロジェクトの発端と活動内容は後ほど詳しく述べるが、村では大豆の栽培計画をたてるとともに、旧給食センターの建物を農産物加工施設に転用し、県の「地域づくりサポート事業」補助金を活用して、味噌の加工設備、豆腐製造の設備を購入。味噌、豆腐の加工技術習得のため、村役場の若手職員・我妻正紀さんを東京農業大学に研修生として派遣した。

 「村長から東京に行くようにいわれ、半年間で味噌と豆腐の製造法を身につけなければと必死でした」と我妻さん。帰村するとすぐ、味噌2tを仕込み、〈手・まめ・館〉オープンに備えた。

 いっぽう、総務省に申請した「里山の食と農、自然を活かす地域再生計画」が認定を受ける。また旧幼稚園の建物を「食育教育施設」として転用することが認められた。改修工事費としては、「福島県中山間地域等活性化総合支援事業」補助金などを活用。2005年(平成17)11月、〈手・まめ・館〉がオープンした。

 豆腐の値段を決めるにあたってこだわったことは、村でとれた大豆を使って、村でつくったものだから、村の人みんなに食べてもらいたいということ。都会のデパ地下などには1丁500円もする“手づくり”豆腐が並んでいるが、それでは年金暮らしのお年寄りには買えない。そこで、「達者の豆腐」1丁(150g)は150円とした。大豆の香り豊かな少し固めの豆腐である。

 原料の大豆も米も鮫川産の「達者の味噌」も、同じ考えから1袋(1kg)500円とした。お湯にも牛乳にも溶け、大豆の香りが香ばしい「きな粉」(150g)250円、地場産のじゅうねん(えごま)100%の「じゅうねんタレ」(250g)500円や「じゅうねんドレッシング」(180ml)420円も人気商品だ。

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「達者の豆腐」はすこし固めの木綿豆腐
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油あげやがんもどきも大豆の風味が生きる

地産地消の核は〈手・まめ・館〉

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〈手・まめ・館〉出向中の我妻正紀さん

 昨年度(2007年)の鮫川村の大豆収穫量は約21t。そのほぼ100%を村で引き取り、豆腐に5割、味噌に2割、きな粉に2割、豆菓子などに1割の割合で加工し、〈手・まめ・館〉で販売している。豆腐や油揚げ製造は、昔、村で豆腐店を営んでいたプロが腕を活かして陣頭指揮をとっている。

 阿武隈山地の山並みが見渡せる高原の中腹に建つ、もと幼稚園舎の〈手・まめ・館〉。見栄えをよくして観光客を呼ぼうというのではなく、あくまで実質勝負。村の人の暮らしと交流に役立つことをめざす。オープン当初は不便なロケーションを危惧する声もあったが、村外からの来店客が6割となるなど、村内外の多くの人に親しまれる直売所となっている。

 大豆加工の製造技術を東京農業大学で学んだ我妻さんに、鮫川村の大豆のよさはどんなところか聞いてみたところ、「大豆によって人と経済が動くこと、大豆ひとつで村が元気になることです」という答えが即座に返ってきた。大豆によって村が大きく動き始めたというのである。

 鮫川村の元気のみなもととなった、“豆で達者な村づくり”プロジェクトは、何をきっかけに始まったのだろうか。そして、村にどのようなうねりを起こしたのだろうか。


◆参考サイト:
《福島県鮫川村》
http://www.vill.samegawa.fukushima.jp/
《手・まめ・館》
http://temamekan.com/

◎鮫川村へのアクセス:
公共交通利用
・東北新幹線新白河駅→JRバス白棚線→磐城棚倉駅→村営バス→鮫川村(約1時間30分)
・JR水郡線磐城棚倉駅→村営バス「あおぞら号」→鮫川村(約35分)
自動車利用
・東北自動車道白河IC→国道289号線→棚倉町→県道→鮫川村(約1時間)
・常磐自動車道勿来IC→国道289号線→国道349号線→鮫川村(約1時間)