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小泉 浩郎
(こいずみ・こうろう)

山崎農業研究所 事務局長
地産地消推進活動支援委員会委員長・審査委員長

おいしい・ありがとう・元気です
―地産地消優良活動全国表彰事業からー

小泉浩郎さん 山崎農業研究所 事務局長、地産地消推進活動支援委員会委員長・審査委員長

人任せの食がもたらす不安

 平成20年2月28日(木)「全国地産地消推進フォーラム2008※」が、農林水産省7階講堂で開かれました。本年度で3回目を数えます「地産地消優良活動全国表彰事業※」表彰式と事例発表及びパネルディスカッションが行われ230人近い聴衆で埋まりました。

※全国地産地消推進フォーラム2008、地産地消優良活動全国表彰事業については農林水産省サイトをご覧ください。

フォーラムについて:
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/gijutu/080201.html
表彰事業について:
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/gijutu/080222.html

 地産地消活動の現場に伺いますと、みなさん、元気な笑顔に溢れています。その元気な笑顔は、風土の恵み(地産)をみんなで共有(地消)し「ありがとう」の和が幾重にも創り出されているからです。

 地産地消活動を通してお母さん達が主役になり、お年寄りが元気になっています。直売所や農村レストランでは、風土色溢れた自慢の一品が並び、お客さんとの対話が続きます。子供達は、農の現場を体験し「いのち」への感謝を学校給食と共に学びます。そこには家族の和、仲間の和、地域の和、消費者との和、子供達との和、さらに風土を活かした自然との和が生まれています。
そこでフォーラムのテーマを、「みんなの和と元気を育てる地産地消」としました。

 地産地消のみんなの「和」と「元気」は、安全安心を前提とした「おいしい」というほめ言葉と「ありがとう」という感謝の言葉の直接の交流にあります。これは、どの産業にもどの商売にもない、「地産地消ならでは」の、「地産地消だからこそ」の専売特許です。そこで、パネルディスカッションは「おいしい」をキーワードにいろいろな角度から話し合いをしました。

 パネルディスカッションの前に、3件の現地からの活動報告※もありました。それも踏まえて話し合われたことは次の3点でした。

 第1は、つくる側からの「おいしい」の実現です。

 つくる側の「おいしい?」と問う自信は、汗を流した「土づくり」と「手づくり」にあります。安全は当然の大前提、その上で健康な土で健康に働き、健康な食材を生産し健康に暮らす。その健康をお分けするのが地産地消だといいます。

 第2は、いただく側の「おいしい」という実感です。

 その実感は、風土の力を最大限に生かした土地独自の「手づくり」にあるといいます、素材本来の味、旬の味、新鮮な味、伝統の味、お袋の味等「土づくり」から始まる現場での「手づくり物語」が、いただく側の共感を呼び「おいしい」を実感し「ありがとう」と語り合う場となっています。

 第3は、つくる側といただく側の「おいしい」「ありがとう」の共有です。

 「おいしい」が地域のみんなの自慢となり、家庭でも、学校でも、医療・福祉機関でもそして地元のレストランやホテルまで波及し、農業生産や流通過程の新しいあり方が提起され、食べ物を通しての暮らし方や生き方の選択にまでつながっています。

 このところ、食べ物を巡っての不祥事が続き、追い打ちをかけるように中国からの輸入冷凍餃子が大きな問題となっています。国民にとって「食べ物とは」が改めて問われ,地産地消の重要性が議論の俎上に上っています。地産地消が一過性に終わらぬために「おいしい・ありがとう・元気です」と直売所や農村レストランで、家庭の食卓や学校給食の場で語り合う事から始めよう。これがフォーラムの結論でした。

※フォーラムでは、以下のみなさんの現地からの活動報告がありました。

(1)農林水産大臣賞
「直売所・農産加工・農村レストランの一体的経営と80人の雇用創出」
農事組合法人「旬の味ほりがね物産センター組合」(長野県)
(2)農林水産大臣賞
「なにわの特産野菜を核とした多品目周年産地の形成とすべての商品に農薬防除歴」
農事組合法人「かなん」(大阪)
(3)特別賞(全国地産地消推進協議会会長賞)
「JA、青果商など地域の力を活かした地産地消学校給食と食育推進」
「都賀町学校給食地産地消推進協議会」(栃木県)