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直売所を中心とした地産地消の推進
〜経営のさらなる発展へ向けて〜

平成21年2月
生産局技術普及課

1. 自分で作った農産物を地域の消費者に直接売ってみましょう
2. 直売所を設置しましょう
3. 品揃えを確保しましょう(経営の高度化1)
4. 効率的な集荷体制を作りましょう(経営の高度化2)
5. 農産物の加工などにも取り組んでみましょう(経営の高度化3)
6. 異業種との連携や「6次産業化」により、地域全体での取組を目指しましょう(より高度な戦略的取組へ向けて1)
7. 地域内の連携強化や地域外への拡大にも取り組んで見ましょう(より高度な戦略的取組へ向けて2)
8. 学校給食へも地元農産物を提供しましょう
9. 地産地消の取組に対する主な支援(平成21年度)



1. 自分で作った農産物を地域の消費者に直接売ってみましょう

■ 農産物直売所を設けるだけでなく、朝市・青空市のほか、既存施設の活用や量販店への出店など地域の実情に合わせた取組を考えましょう。

直売の取組例

区役所の駐車場を活用した朝市

既存施設等を活用した直売

農産物直売施設での販売

■ 「農産物直売所」等の地産地消の取組には、高齢者や女性などの小規模農家の活躍の場となるなど、様々なメリットがあります。

取組のメリット

○高齢者や女性等の活躍の場の創出

 小規模農家でも自らの作業能力や農地の状況に合わせて無理なく生産・出荷できる

○流通コストが節約できるため、農家の手取りが確保できるほか、消費者も新鮮な農産物を割安に入手可能

<従来>
 農家→農協→市場→量販店→消費者
<直接販売>
 農家  →  直売所 → 消費者

○自分で価格設定ができるほか、顔が見える関係で主体的に販売可能

 安全・安心な農産物の提供や適正な表示に責任をもって取り組みましょう。

○加工・観光などとも連携し6次産業化が可能(付加価値化、雇用の確保等)



2. 直売所を設置しましょう

■ 来店できる消費者の数や競合する店など、それぞれの地域の特性を調査・検討して場所を決定しましょう。
■ お客様が入りやすく、お客様を呼び込めるような直売所にしましょう。
■ 直売所を新たに建てるのでなく、量販店等に「インショップ」として出店することなども考えてみましょう。

消費者の来店数が確保できる商圏(中山間地域でも都市からアクセス可能な場所など)

主要幹線道路沿い、駐車場の確保など集客しやすい立地

量販店へのインショップやアンテナショップでの取組



3. 品揃えを確保しましょう(経営の高度化1)

■ 直売所などで取組を拡大するためには、品揃えを年間を通じて確保することが必要です。

品揃えのための取組

・作物生産の多品目化や周年化
・出荷者数の増加
・加工品などへの取組
・他の直売所などとの連携

特徴ある直売所づくり

・地域特産作物、地域の伝統食品などの他にはない品揃え
・季節感のある品揃え
・新鮮で信頼できる農作物の品揃え

■ 少量多品目の生産出荷体制づくりは基本であり、作物の栽培研修会などによる作付品目の拡大の支援が重要です。

少量多品目の生産体制づくりに向けた取組例

1. 生産・出荷カレンダーを作成し作目拡大を促進
2. 栽培マニュアルを作成し、栽培講習会・研究会等の実施
3. 冬場の生産確保のためのハウス等栽培施設の導入
4. 保冷庫の導入
5. 定期的な営農指導や技術指導者の設置
6. 登録出荷者の組織化を図り、情報交換等を実施

(事例)奥出雲産直振興推進協議会

○先進的農家を産直相談員(アグリキャップ)として任命し、栽培技術等の研修を実施。

(事例)めっけもん広場

○出荷カレンダーを活用して、キャベツ・ハクサイ・レタス・ピーマン・ダイコンなどの品目毎に地場生産ができるものを月別に掲示。

出荷カレンダー

〔安全・安心な農産物の生産と情報発信〕

 直売所では消費者の信頼に応えた農産物を販売することが何よりも重要です。食の安全等へのニーズに対応するため、化学肥料や農薬の適正資料を徹底するほか、生産履歴の記帳などの取組が必要です。
 また、信頼を裏切らないために、表示が正確であり、生産者や農産物の情報なども発信していくことも必要です。

集落単位での農薬や肥料の使用に関する研修会



4. 効率的な集荷体制を作りましょう(経営の高度化2)

■ 消費者ニーズに合った生産・出荷ができるように販売管理システム(POS)データなどを分析してみましょう。
■  販売状況を携帯やFAXなどに送信できるシステムを使うと、売行きに応じた出荷ができるようになります。

情報通信システムのメリット

・POSシステムにより生産者別・品目別・月・日・時間帯別の売上状況から消費者ニーズを把握
・最新の販売状況を生産者にFAX、自動メールなどで伝えることにより、追加出荷なども可能

(事例)(株)内子フレッシュパークからり
○販売状況をFAXなどで即時に生産者が分かる体制を整備し、各生産者が農産物を効率的に出荷。

■ 高齢者や女性も無理なく農産物を出荷できる体制づくりなどにも
 取り組んでみましょう。

高齢者等が無理なく出荷できる取組の例

・地域内に拠点集荷所を設置し、生産者の出荷物を巡回集荷
・高齢者農家などの出荷を他の農家が助ける体制づくり

(事例)奥出雲産直振興推進協議会
○高齢者でも出荷しやすい体制とするため、地域の40カ所に拠点集荷所を設置。地元運送業者と連携して、2トントラック(保冷車)により巡回集荷。

〔直売所のネットワーク〕

 直売所周辺の出荷者だけではどうにも品揃えの難しい品目や時期がでてきます。しかし、その部分を市場からの購入ばかりに依存すると、直売所の魅力が失われてしまいます。
 このため、直売所間でネットワークを作り、品揃えを確保する取組が進められています。

和歌山県の「めっけもん広場」では、長野県産の農産物を販売

和歌山県「やっちょん広場」の農産物を福島県「はたけんぼ」で販売



5. 農産物の加工などにも取り組んでみましょう(経営の高度化3)

■ 農産物の付加価値化に加えて、新しい雇用が生まれ、また、品揃えもよくなるので、直売所の活動が広がります。

農産物加工のメリット

■ 簡単な加工品から始めて、地域の農産物を使って直売所らしい加工品の販売を目指しましょう。

加工品の生産に伴い新たな雇用も生まれます。

直売所の年間を通じた商品の品揃えが確保されます。

農産物加工の取組

地域の農産物を活かした食品など、身近な加工品から始めて見ましょう。

加工品の製造販売では、いくつかの許可が必要です。早めに保健所等と相談しましょう。

(事例)JA沢田
地場産野菜を使った漬け物で「沢田の味」ブランドが確立し、直売所の集客力も向上。漬け物に加えて健康茶やジャム、ワイン等の加工品も販売。



6. 異業種との連携や「6次産業化」 により、地域全体での取組を目指しましょう(より高度な戦略的取組へ向けて1)

■ 農産物加工に加え、外食や観光等の異業種と連携することで、直売所の集客数の確保、販売額の増加、雇用機会の増大等が期待されます。また、地域住民へのサービスにも貢献できます。

6次産業化への取組

直売所にレストラン等を併設したり、地域の外食・観光業と連携することで集客力も高まります。

福祉施設やディサービスへの提供で地域住民への貢献もできます。

■  直売所を核とした地産地消の取組は、他産業との連携の下に地域を丸ごと売り込むことで、都市住民との交流や憩いの場を提供するなど地域活性化にも貢献するものです。

地域活性化への取組

地場農産物に関するイベントの開催

地域住民に対する農作業体験・交流活動

観光農園、グリーンツーリズム等の取組との連携



7. 地域内の連携強化や地域外への拡大にも取り組んで見ましょう(より高度な戦略的取組へ向けて 2)

■ 地域内の様々な関係機関・団体等の組織的な取組で、地域が一体となった地域地産の活動へと発展します。

食のまちづくり宣言

(佐賀県伊万里市)食育を通じた自然との共生と地域内の連携、地元産の安全な食材の利用、食を通じた地域外住民との交流等を内容とした『食のまちづくり宣言』が行われました。

地産地消の日

(栃木県)毎月8日、18日、28日を「とちぎ地産地消の日」と定め、県庁の食堂では、県産農畜産物を利用した「地産地消メニュー」を提供しています。

■ 地域外への発展や都市消費者との連携により、地域農産物への需要が拡大します。都市部の量販店等とよく話し合いニーズに見合った出荷体制の確立が必要です。

インショップ

(群馬県 JA甘楽富岡)20カ所以上のインショップが東京都内にあります。産地直送される野菜は都市消費者に好評です。

アンテナショップ

(大分県 JA大山)福岡市内などに直営のアンテナショップやレストランを設置



8. 学校給食へも地元農産物を提供しましょう

■ 学校給食で地場農産物を利用するためには、生産サイドと学校給食サイドが連携し、計画的かつ安定的な食材の納入が重要です。

取組のポイント

1. 生産サイドと学校給食サイドのマッチング

・生産者と学校給食を担う栄養士さん等が意見交換し、地域の農業や給食の調理現場のことをお互いに理解する場を作ることからスタート。

2. 生産サイドと学校給食サイドの連携

・給食で利用できる地場農産物を検討。学校給食サイドは、毎月の献立計画を策定して食材を発注。生産者サイドは、詳細な納入計画を策定。

3. 安定供給する体制づくり

・ 異常気象や納入時の事故により予定の農作物が納入できない場合に備えた供給体制が必要。生産者のネットワークづくりのほか、確保できない場合の方法(代替品の市場からの確保等)も事前に検討が必要。

4. 食育としての取組

・学校給食での地場農産物利用を通して、子供たちの農業と食べ物に関する理解を促進。農作業体験や生産者との交流も積極的に導入。

(学習田での稲刈り)自ら農作業を行うことで、食べ物への理解が深まります。



9. 地産地消の取組に対する主な支援(平成21年度)

関係者が一丸となって地産地消に取り組む地域や高齢・小規模農家の活躍できる
生産・流通システムの確立など、地産地消のモデル的な取組を支援

事業名:地産地消モデルタウン事業

1. 趣旨

○農業だけでなく、給食、商工、観光業等の関係者が一丸となり、地産地消に取り組むモデル的な地域を支援。

○高齢者や小規模農家などが活躍できる生産・流通システムの構築や、学校給食や社員食堂等への地場農産物の安定供給、量販店等において地場産物を販売するインショップの展開や地域の直売所のネットワーク化など、モデル的な取組を支援。

2. 事業実施主体

 農業協同組合連合会、農業協同組合、農事組合法人、農事組合法人以外の農業生産法人、関係者の参画する協議会(推進事業に限る)等

3. 補助対象

推進事業:
協議会開催、地場農産物を活用した加工品・学校給食メニューの開発、農畜産物の生産技術や加工技術の普及・研修、効率的な集出荷システム(高齢・小規模農家対応の巡回集荷など)の構築・実証、新規作物の導入実証、リース方式によるハウスの導入、学校給食等向け地場農産物の規格・処理基準の作成、インショップにおける機器・設備のリース、地場農産物を核にした加工品のブランド化の検討等

整備事業:
直売施設、農畜産物処理加工施設、交流施設、集出荷施設(高齢・小規模農家対応の巡回集荷)、地域食材供給施設、産地管理施設

4. 事業実施期間

 平成19年度〜21年度(個々の事業の実施期間は単年度)

5. 補助率

 事業費の1/2以内

地産地消の推進へ向けた施設整備などの支援

事業名:強い農業づくり交付金(地産地消特別枠)

1. 趣旨

 地産地消の活動に必要な農産物直売所や加工処理施設などの整備を支援。

2. 事業実施主体

 都道府県、市町村、農業協同組合連合会、農業協同組合、農事組合法人、農事組合法人以外の農業生産法人等

3. 補助対象

 農畜産物処理加工施設、直売施設、交流施設

4. 事業実施期間

 平成19年度〜21年度

5. 交付率

 事業費の1/2以内

その他の主な支援事業

事業名等 事 業 内 容 主な実施主体 補助率等
農山漁村活性化プロジェクト支援交付金  定住や二地域間居住、都市と地域間交流の促進により農山漁村地域を活性化するため、地域の創意工夫による取組を総合的かつ機動的に支援。 都道府県、市町村、農業協同組合、水産業共同組合、森林組合等 1/2以内等
広域連携共生・対流等対策交付金  都市と農山漁村が都道府県域を越えた広域で連携し共生・対流を推進する先導的取組のほか、交流環境の整備や交流を通じたアグリビジネスの推進に必要な施設等の整備を支援。 農業協同組合連合会、農業協同組合、農事組合法人等 1/2以内等
森林・林業・木材産業づくり交付金  山村地域資源としての特用林産物の生産基盤の高度化、品質の安定化、販売体制の多様化等に資する生産、加工及び集出荷施設の整備等を支援。 都道府県、市町村、森林組合等 1/2以内等
強い水産業づくり交付金  効率的かつ安定的な漁業経営の育成や産地販売力の強化に資するため、共同で利用する水産物加工処理施設、地魚直販施設の整備等を支援。 都道府県、市町村、森林組合、等 1/2以内等

地産地消を推進する人材の育成

 農業と給食、商工、観光業等の地産地消関係者を結び付ける人材育成のための講習会を実施。また、地産地消の事例調査・分析や地産地消優良事例表彰等を実施。


この手引書に関する問い合わせ先

農林水産省生産局技術普及課
〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1
電話番号 03-3502-8111 内線4773
http://www.maff.go.jp/chisanchisyo/index.html