地元を食べよう! >>鈴木光一さんおすすめ直売所向き品種2010 ―直売所名人のタネ選び―

 

鈴木光一さんおすすめ直売所向き品種 2010

―直売所名人のタネ選び―

 昨年に引き続き、今年も鈴木光一さんに、直売所向けねらいめ品種のとっておき情報を教えてもらいました。(編集部)



見てビックリ 大きな極甘コーン
おおもの(ナント)

 直売所「ポケットファームどきどき」が目指すのは"食べもの屋さん"。見た目だけよくてもダメ。自分がおいしいと思う"食べものとしての野菜"を育て、販売する。農家こそ知っている、野菜の氏素性・食べ頃を伝えることで、規格外の物も間引き菜も、消費者に喜ばれる地域の"食べもの"、魅力商品に変わる。

おおもの
でかい! そして甘い。お客さんの目を引く、おおものコーン

二倍近く植わる密植コーン
味来7000(パイオニア)

 少ないスペースで少量多品目をつくらなければならない直売農家経営の強い味方となる新しいトウモロコシができました。味来7000です。七〇〇〇とは一〇a当たり入る本数のこと。通常四〇〇〇本なので二倍近くの本数となります。
 大きさもLサイズくらいには十分になるので一本一〇〇円の販売が可能。収益性が高く、食味もよい直売所向きの品種です。株間一八cmで少し肥料を多めに入れれば、よいトウモロコシが少スペースでつくれます。

食べ比べで一番人気、基本の赤丸ミニトマト
華キュート(福井シード)

 ミニトマトは各社から出ています。本当においしい赤丸型のミニトマトはどんなものかずっと探してきて出合ったのが華キュートです。まず味が濃い。甘さと酸味のバランスがものすごくよく、皮もやわらかで気にならない。
 数多くの野菜品種が顔を並べる郡山「あぐり市」のトマト食べ比べで、もっとも人気があったのがこのトマトでした。ミニトマトはいろいろな形や色が出ていますが赤丸型は基本です。ぜひ押さえておいてほしい品種です。バイオ苗で苗のみの出荷ですのでタネ販売はありません。

華キュート 華キュート。赤丸型のミニトマトの中でひときわ味が濃く、絶品

まず食べさせて「つかみOK」のナス
ごちそう(サカタ)

 直売所のナスは水ナス系が人気です。生食用・サラダ用の水ナスは、各社から出はじめていますが、甘さという面でとくに素晴らしいのが、ごちそうです。わが家の農場にはプロの料理人がたくさん来ますが、まず最初に畑に連れていって食べてもらうのがこのナスです。生のまま食べると誰もがその甘さにビックリしてくれます。少し小さめ(小ナス)で収穫するのがポイント。試食販売にピッタリの品種です。

売れ筋! 葉付きサラダカブ
ゆきわらし(カネコ)

 コカブ、とくにサラダカブは直売所の人気品目です。純白の白い肌とみずみずしい葉付きのカブは必ず売れ筋商品となります。そんなカブのなかで、わが家で人気の高いのが、ゆきわらし。とても食味がよく、甘くてやわらかいのが特徴です。
 カブで問題となっている白サビ病や根こぶ病にも強いので安心してつくれます。中カブくらいまで畑に置いておくこともできます。サラダ・浅漬け用としてプロの料理人たちにも人気が高い。葉付きの甘いカブをぜひ販売してみてください。

料理の脇役から主役へ!? インゲン
ジャンビーノ(サカタ)

 インゲンは丸莢が多くつくられていますが、直売を中心に人気があるのは平莢です。平莢はやわらかく食べごたえがあるのが特徴です。品種も各社より出ていますが、私のおすすめはツルありのジャンビーノ。この品種を育成したブリーダーは、料理では脇役のインゲンを主役にしたいという思いでつくったそうです。
 莢が少しふくらんでもやわらかい。また、草勢がおとなしいので樹が暴れることなく、長期間収穫できる。やわらかさ、甘さは絶品です。ぜひ一度チャレンジしてください。

病気に強くてうまいミニキュウリ
ラリーノ(神田育種農場)

 最近、直売所ではミニタイプのキュウリが人気ですが、おすすめはラリーノ。まず食味がよく、やわらかさ、香り、そしてほのかな甘み。キュウリとしておいしい。さらに収量性がとても高いのもこの品種の特徴です。完全節なりでサイズのそろった果実がとれます。
 また、病気に強い。ウドンコ病には抵抗性があり、ベト病にも耐病性があるので減農薬栽培が可能です。一〇cm前後、四〇gくらいが収穫適期。個性的でおいしいキュウリをお探しの方におすすめです。

ラリーノ ラリーノ。人気のミニキュウリ。味もよく、ウドンコ病にも強い

注目したい晩生のエダマメ
秘伝(佐藤政行種苗)

 エダマメは直売所でなくてはならない品目です。ニーズの高さから早生系品種の開発が進んでいますが、長期出荷を考えると晩生にも注目してほしい。そのなかで私のおすすめは秘伝です。晩生で九月下旬〜十月上旬出荷が可能。大莢でしっかりとして、その味わいはエダマメ好きにはたまりません。また、この品種はエダマメだけでなく、ダイズとしても人気があり、加工用(味噌、豆腐)としても差別化できます。

サラダにもなる早出しハクサイ
極意(カネコ)

 ハクサイは少し涼しくなると食べたくなる秋冬野菜ですが、本格ハクサイが出る前に出せるのが極意です。南方系の血が入っているので高温でも結球します。ハクサイ特有の毛がないのでサラダとしても使えます。病気にも強く、害虫をネットなどで防げれば、八月九月にも出すことができます。ハクサイの早出し、ぜひ試してみてください。

コツコツと着実に稼げるピーマン
京ひかり(タキイ)

 ピーマンは派手さや高値販売を期待できる品目ではありません。が、長期収穫できれば確実にお金にできる品目です。近年、ピーマンはウイルス病などでうまくつくれないと言われることが多いのですが、そこでおすすめなのが京ひかりです。とくにウイルス病に強く、つくりやすい。長期収穫可能な品種です。春・秋の低温にも強い。果実の色も濃く、テリもあり美しい。着実にコツコツと収入を得る品種としておすすめです。

京ひかり 京ひかり。もともと産地向き品種だが、直売所で稼ぐにも最適

鈴木光一さんの著書『野菜品種の選び方』

鈴木光一さんの著書である『野菜品種の選び方 44品目・365品種』(農文協刊)もご覧ください。

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